2016年06月18日

インセプション』エディッ

エディット・ピアフという人物を知らない人でも一度は耳にしたことのある名曲「愛の讃歌」. 日本では越路吹雪さんがカバーされたことでも有名な曲ですが、私自身も実はあの曲は越路さんの持ち歌だと思っていました. でもこの映画を見れば、あの曲に込められた一人の女性の壮絶なる想いがすごく伝わってきます. これは映画ファンなら必見の作品でしょう. 先日のゴールデングローブ賞でも主演女優賞を受賞されたマリオン・コティヤールの演技がいかなるものかと気になって見てみましたが、やはり世界中から絶賛されているだけあって本当に凄いですね. 『TAXi』シリーズで軍人一筋の父親を持ち、サミー・ナセリをひたすら待つ恋人役を演じていた女優さんとは同一人物とは思えないほど、全く雰囲気が違うんですもん. しかもエディット・ピアフという人が幼き時から愛に恵まれず、ひたすら不安がる姿を表情や手の震えなどで巧く演じていたのが印象的でした. 映画を見始めた頃は特に気付かなかったのですが、物語が進むにつれそういった細かな仕草が実はしっかりと見る者の心に残っていたのには驚きましたね. で映画を見て当初はこのエディット・ピアフという人はよくいる、成功して周りにイエスマンばかりになりわがままばかり言う嫌な人だと思っていました. でも彼女の人生を見ていくうちに、いかに彼女の中で歌うことが重要なのかが理解できるんですよね. 彼女にとって歌は大切な人たちとの繋がりを感じていられる行動なんですよね. 幼き頃に世話してくれた娼婦のティティーヌとも、大道芸人だった父親とも、金をせびるだけだった母親とも、警察に連行された親友のモモーヌともみんな「歌」というキーワードで結びついている間柄. でもその大切な人たちと長く幸せにいられたという経験がない彼女には「歌う」ことで愛を得られるはずだという強い信念みたいなものがあったのでしょう. 晩年になって医者から止められても舞台に上がろうとしたのも全て彼女が何よりも手に入れたい愛のため. もう二度と恋人に飛行機事故で死なれたくない想いの裏に隠された「もう一人のマルセル」の逸話には切なくなりました. もし彼女にあんな不幸がなければ愛を与えることで新たな愛を得れていたのかも・・・などと色々考えてしまいましたね. そしてあの「愛の讃歌」が一段と耳に残ってしまうようになりましたね. もう少しこの作品をアカデミーも評価してほしかったかな? と若干思える作品ですが、果たしてマリオン・コティヤールはオスカーを受賞できるんでしょうか? 深夜らじお@の映画館 は最近カラオケで歌った記憶がありません.

産業スパイ、相棒、設計士、依頼主、偽造師、調合師が潜入する標的の夢の中. 落下するバン、高級なホテル、要塞化した雪山、コブの自宅という4つの世界が同時進行で密接に連動するクライマックスの緊張感. 情報量の多さと設定の複雑さから難解ではあるものの、世界観を理解するとクリストファー・ノーラン監督作品らしく編集の巧さもあってか、非常に見応えのある映画でした. 他人の夢に潜入しアイデアを盗み出す、もしくはアイデアを植え付けるという産業スパイを生業にしているコブとアーサー. 彼らが主に行う、この映画のタイトルにもなっている「インセプション=アイデアを植え付ける」とは、「象のことは考えるな」と言われて象のことを考えてしまうように、要は気になる娘にイタズラをしてでも意識してもらうことと同じで、相手を誘導するために計画的に相手に意識させることなんでしょう. ただ他人の夢に潜入すると言っても正確には他人と夢を共有するということなので、誰の夢がベースかによって世界は変わってしまったり、誰かがトラウマを持っていればそれが夢の中で危険分子として具現化し襲ってくる. また企業のトップともなれば夢に潜入されないように訓練を受けているため、夢の中で銃撃戦などに巻き込まれたり、強い鎮静剤を服用した場合に夢の中で死んでしまうと虚無の世界に落ちて現実世界ではもぬけの殻になってしまったりと、危険要因という名の設定もたくさんあって非常に難解. でもこういった設定を理解すると、後は夢の中でまた夢に潜入するというこの映画独特の緊張感のある面白さを堪能するだけ. 標的ロバートを誘拐し調合師ユスフが残った第1段階でのバンが橋から落下する緊張感、相棒アーサーが残った第2段階での無重力化したホテルでの格闘、依頼主サイトーと偽造師イームスが残った第3段階での雪山での戦闘、そして設計士アリアドネと共にロバートを探しに第4段階へと潜入したコブの亡き妻モルへの葛藤. UGG ブーツ オーストラリア これら4つの世界が同時進行で密接にリンクしながらも、時間感覚が深く潜入すればするほど長くなるという設定も相俟ってか、どんどん緊張感が増していくんですよね. 特に4つの世界に同時に緊張感があるというのは、今までの映画ではなかったこと. 空間的・時間的なことを考えればできなかったことを「人の潜在意識は海よりも深い」と言われる「夢の世界」を用いて描いたこの巧さ. これぞアイデアの勝利ですよ. そして何よりもコブが回した、現実と夢を区別するためのコマが倒れる前に巧く映画を終わらせたあのラストが秀逸. 戦友でもある相棒・偽造師・設計士・調合師と別れ、標的には気付かれず、依頼主に過去を清算してもらい、子供たちに再会できたことも、本当にコマが倒れてしまう現実なのか、それともコマが永遠に回り続ける夢の世界なのか. それを明かさずに終わらせるところは最高の〆だったと思いましたよ. てな訳で初見よりも2回3回と見た方がよりこの映画の世界観を楽しめるであろう、ちょっと難解な映画ではありましたが、『ザ・セル』や 『マトリックス』 に似た世界観ながらも、見終わった後にふと 『アイデンティティー』 を見終わった時と同じような新鮮さを感じた映画でした. ちなみにキーとなる音楽に エディット・ピアフ だったのは映画的お遊びなんでしょうかね? 深夜らじお@の映画館 の夢の中は意外とピュアなので、むやみに潜入しないで下さい. ■8.21 【元町映画館】 いざ開館! ■ 【ABCアシッド映画館】 の復活を.
posted by OgawaToshie at 19:10| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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